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院長のちょっと一言
自然の恵みを祝う 2015/12/07
今回はプライベートのお話を少しいたします。わたくしはお酒を飲むのが好きで、とりわけワインは毎晩のようにいただきます。ワインにはたくさんの種類があり、なかなか憶えられず敷居が高いとお感じの方も多いことでしょう。わたくしもその一人でしたが、せっかくならより詳しく知って楽しみたいと思い、ワインスクールに通うことにいたしました。
生産国、ブドウ品種、作り方など、憶えることは多く大変でしたが、好きなことについて学ぶ喜びを感じました。講師の皆さんはとても優しく丁寧に教えてくださり、教室はアットホームで良い雰囲気でした。同じ目標を持って学ぶ仲間もできて、楽しみながらもお互いを励まし合い、ついに日本ソムリエ協会認定のワインエキスパートという資格に合格しました。
・一般社団法人 日本ソムリエ協会
・わだえみワインスクール
資格が取れたことは大変嬉しいですが、知識を得ることで世界が広がったことが収穫でした。また、新たに師や仲間ができて、人間の輪が広がりました。たまには趣味の世界に没頭してみるのも、良いことだなぁと実感した次第です。
せっかくですから、ワインのお話をいたしましょう。11月19日の木曜日はボージョレ・ヌーヴォー解禁日でしたね。お酒を飲める方なら、もうお飲みになったのではないでしょうか。つい先日、パリで同時多発テロがあり多くの犠牲者が出たばかりなので、今年の解禁イベントは自粛ムードだったそうです。しかし、日本はボージョレ・ヌーヴォー輸出量の6割を消費するお得意様です。買い控えることなく、フランスへの応援と世界の平和を祈って飲むのはいかがでしょうか。
さて、ボージョレ・ヌーヴォーといえば、「100年に一度の出来」「今世紀最高」などの盛大なキャッチコピーが思い浮かびますね。ちょっと言い過ぎじゃないかとも思いますが何故なのでしょうか。
そもそも、ボージョレ・ヌーヴォーとは、フランスのブルゴーニュ地方にあるボージョレ地区で作られるワインの新酒です。新酒のことをフランスではヌーヴォーと言い、その年のブドウの収穫を祝い、味や出来を確認するために飲まれます。通常、ワインはブドウの収穫から1年以上かけて作られます。それを2ヶ月程度で飲めるように、特別な方法で作られるのがヌーヴォーなのです。この方法で作られたボージョレ・ヌーヴォーは、普通の赤ワインと違い渋みが少なく果実味が豊かで、少しバナナの香りがするのが特徴です。
ボージョレ・ヌーヴォーは1年後にできるワインの味を予想するお酒ですから、生産者や販売者は少しでも良いところを伝えようとします。「去年より良くない」とか「不作の年」などとは言わないのです。そして、収穫を祝う「めでたい酒」ですから、表現もちょっと華やかになってしまうのです。
今年は天候に恵まれブドウが良く熟したおかげで、力強くバランス良く仕上がり「50年に一度の出来」だそうです。まだお試しになっていない方は、これからでも飲んで自然の恵みを祝ってみてはいかがでしょうか。
ここでお知らせがあります。こうだ歯科医院ではこの度、歯科用CTを導入いたしました。CT撮影を行うことによって、歯や顎の骨などの形と位置関係を立体的かつ精密に知ることができます。これによりインプラント治療や親知らずの抜歯などの手術を、安全に行うことができます。また、歯周病や顎関節症などの診断・治療にも役立ちます。なお、歯科用に最適化されていますので、被曝量は医療用CTに比べ約70分の1程度と大変少ないので安心して受けていただけます。外部の病院にCTを撮りに行っていただくこともなくなりますので、患者様の負担もございません。このような最先端の検査機器を駆使して質の高い治療を受けて頂けるよう、努力してまいります。今後ともこうだ歯科医院をよろしくお願い申し上げます。
コーヒーはいかが? 2015/11/02
すっかり秋も深まり、紅葉の便りも聞かれるようになりましたね。わたくしは日頃からコーヒーを嗜みますが、この季節が最も美味しく感じる気がいたします。今回はそんなコーヒーのちょっといい話をいたします。
コーヒーは飲んで美味しいだけでなく、肌のシミ予防やメタボリックシンドロームの改善など、さまざまな健康効果があることが分かっています。その効果はコーヒーに含まれる2つの成分、ポリフェノールとカフェインによって得られます。
ポリフェノールは、赤ワインや緑茶などにも含まれる抗酸化物質で、身体のさまざまな機能を向上させ、身体のさびつきを防いでくれます。コーヒーにもポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が含まれています。ある調査では、日本人のポリフェノール摂取はコーヒーからが最も多いことが分かりました。また、1日にコーヒーを2杯以上飲む人は、紫外線によるシミが少ないことも確認されました。
もう一つの成分、カフェインは脳の活動を活性化したり、疲労感をほどよく抑える作用があります。さらに、内臓脂肪の減少を促進するなど、メタボリックシンドロームの改善効果も期待できるそうです。実際に行われた実験では、コーヒー1杯を飲んだ後に30分ランニングすると、通常よりエネルギー消費量が高まり、その状態が5時間持続したとのことです。また、カフェインの抗炎症作用により、肝がんやアルツハイマー病などの病気を予防できる可能性があると指摘されています。
このような嬉しい健康効果は、缶コーヒーやインスタントコーヒーでも、焙煎した原料を抽出したものならば得られます。これなら手軽にできそうですね。また、カフェイン抜きのコーヒーでもクロロゲン酸は取ることができます。カフェインが苦手な方や、妊婦などカフェイン摂取を控える必要がある方は、こちらがオススメです。
さらに活用したいのは、昼間の眠気対策です。昼食後に眠気に襲われて仕事がはかどらないなんて方にうってつけの方法があるのです。やり方はいたって簡単です。コーヒーを飲んですぐに昼寝をし、15分で起きるだけです。たったこれだけで頭がスッキリして作業効率も上がります。コーヒーに含まれるカフェインは15分~20分で吸収され脳に到達し、覚醒効果を発揮します。その間に眠ることによって、アデノシンという脳内で眠気を感じさせる物質を消し去ります。これにより、カフェインの効果が出た後もスッキリが続くのです。ただし30分以上寝てしまうと、脳が深い睡眠モードに入ってしまい眠気が取れません。コツは、横にならずイスに座ったままで寝ること。そして、「15分経ったら必ず起きるぞ」と思って寝るとうまく起きられるそうです。この方法は「コーヒーナップ」と呼ばれ、海外でも有効性が取り上げられています。なおこの効果はカフェインの入っているものであれば紅茶でも緑茶でも得られるそうです。コーヒーが苦手な方もお試しください。
さて、仕事もバッチリはかどったところで、コーヒーをもう一杯いただくことにしましょうか。そして、歯にステイン(着色)が付いたら、是非こうだ歯科医院においでください。お口も綺麗にして、心も身体もスッキリしましょう。
健診と早期治療 2015/10/09
すっかり秋めいて、朝晩は冷え込みますね。みなさん体調など崩されていませんか? 今回はちょっと真面目なお話です。
9月には有名人が相次いでがんであることを公表したり、がんで急逝したりと、ショッキングな報道がありましたね。闘病中の方にはエールを送り、亡くなられた方には心から哀悼の意を表します。わたくしはテレビなどのメディアで知っただけなので、事の真相は分かりません。ただ、見聞きした事に関して思ったことを書かせていただきます。先に申し上げておきますが、ご本人や関係者を批判する意図はまったくありませんのでご理解ください。
先日亡くなられたある女優さんは、肝内胆管癌という診断名でした。このがんは症状が分かりづらく早期発見が難しいのが特徴です。もし、疑わしいのならば確定診断をするために手術で病変部(腫瘍)を全部取ってしまい、病理検査をするのが原則的に望ましいそうです。ですが、その女優さんは、腫瘍が良性か悪性かの結果も待たず「とりあえず切りましょう」「抗癌剤で小さくしましょう」と勧めてくる医師に不信感を持ってしまったとのことです。主治医とのコミュニケーションがうまくとれていなかったのかもしれませんね。
結果、その女優さんはすぐに治療にとりかからず、民間療法を試みるなどしながら自分の病気について調べてしばらく戦略を練ったそうです。先に書いた治療の原則を受け入れずに、時間を費やしてしまったわけです。ご本人としては必死の思いだったことでしょう。誰しもこのような状況に置かれたら、同じ行動を取ってしまうのではないでしょうか。その後、この方は内視鏡での手術を受けられましたが、ご存知のように亡くなられました。
専門医の見解では「肝内胆管癌は早期の手術のみが生命予後に関係する」そうです。早期に手術を受ければ絶対に治るわけではなく、それでも命を落とすこともあります。でも、生存する確率を上げる方法はこれしかないのです。この女優さんがただちに手術を受けていたら、結果は変わっていたかもしれないですし、変わらなかったかもしれません。しかし、今のところこの選択肢しかないというのが現状です。
ご本人が女優業にこだわり、ベストを尽くしたと思って亡くなられたのなら、それで良いのかもしれません。しかし一方で、違う選択肢を選ばれたらもしかしたら違う結果だったかもしれないと考えずにはいられません。そして治療を担う医師の意見が、患者さんに上手く伝わらなかったことが悔やまれます。改めて医療の難しさや限界を痛感いたしました。
さて、お口にもがんができるのはご存知のことと思います。当院の院長は口腔外科学会認定の専門医であり、開業前は大学病院で口腔癌の治療にも携わっていました。心配なことがあれば、いつでもご相談ください。また、半年に1回程度の定期健診とクリーニングを受けていれば、お口も綺麗になって一石二鳥です。ご予約はホームページから、24時間いつでもどうぞ!
チーズの力 2015/8/28
夏の暑さも少し和らいで、秋の気配を感じるようになりましたね。今回はお食事やお酒の友にぴったりの、チーズについてお話しします。チーズにはタンパク質、脂肪、カルシウム、ビタミンなどがバランスよく含まれており、健康に良い食品と言われています。実は最近、むし歯予防にも効果があることが分かってきました。
むし歯は、むし歯菌が作る酸が歯を溶かすことによって起こります。チーズを食べると主成分のタンパク質が歯の表面に吸着して保護してくれます。また、酸を中和したり、再石灰化を助けるとも言われています。最近もアメリカの研究機関であるAcademy of General Dentistryが行った調査で、チーズを食べた後に歯垢のpHが高くなりアルカリ性になることが分かりました。つまり、酸を中和してむし歯を防いでくれるわけです。また、WHOもむし歯になるリスクを減らす食品として、ハードチーズをあげています。
このようなむし歯予防の効果は、固めのチーズでみられるそうです。たとえば、チェダーチーズ、パルミジャーノ、ゴーダチーズ、ミモレットなどです。食べるタイミングは食事の最後がよいでしょう。たくさん食べる必要はないので、ひとかけらを2~3口で食べられる量で充分です。ただし、歯磨きしなくてよいわけではありません。20~30分したら必ず歯を磨きましょう。
チーズを食べて楽しんだうえに、むし歯を予防してくれるなんて嬉しいですね。さて、せっかくですのでチーズの話題をもう一ついたしましょう。チーズには身体に良い効果があることが分かりましたが、どんな種類があって、どうやって作られるか興味はありませんか?
NPO法人・チーズプロフェッショナル協会では、チーズに興味を持った人のためにチーズ検定を行っています。
・CPAチーズ検定
職業や年齢を問わず、チーズ好きなら誰でもチャレンジできます。勉強のための「チーズ検定アプリ」もあるので、楽しみながら学べますね。ちなみにチーズプロフェッショナル協会のホームページには、イベント紹介やコラムなど、読むだけでも楽しめる記事がありますので、チーズ好きは要チェックです。
そしてチーズのことをもっと勉強したい、という方にはさらに本格的な資格であるチーズプロフェッショナルがあります。チーズプロフェッショナル協会の会員になれば誰でも受けられます。頑張って玄人はだしのチーズ通になってはいかがでしょうか。ただし、こちらは勉強の範囲が広いので、独学ではなかなか難しそうです。もしチャレンジするなら、以下のようなスクールに通って効率よく勉強するのがよいでしょう。
・わだえみワインスクール・チーズプロフェッショナル資格試験対策講座
さあ、いっぱい勉強して頭を使ったら、難しい事は忘れて美味しい食事とチーズを食べて、食欲の秋を楽しみましょう。くれぐれも歯磨きを忘れずに!
たかが1秒、されど1秒。 2015/6/30
あっと言う間に2015年も半分が過ぎてしまいましたね。時の流れは速いものだと実感する今日この頃です。さて、先日JR武蔵小金井駅で気になるポスターを発見しました。写っているのは同駅に設置されているデジタル時計ですが、何か変です。普通、秒の単位は1~59秒までしか表示されないはずですが、60となっています。これは「うるう秒」といって大切な時間調整だそうです。
大昔、1日の長さは地球の自転を基準に決められました。その24分の1を1時間、さらにその60分の1を1分、その60分の1を1秒としました。その後、技術が発達して現在の時刻は原子時計で決められています。そして、なんと日本の標準時を決める原子時計は小金井市の独立行政法人情報通信研究機構(NICT)にあるのです。こうだ歯科医院は国分寺市にありますが、NICTはすぐ近くです。目と鼻の先で日本の標準時が決められていたとは驚きであり、ちょっと嬉しくなりました。
・NICT
このように正確無比な原子時計で時刻が決められていますが、一方で地球の回転速度にはムラがあることが分かってきました。ということは、地球の自転によって決まる時刻と原子時計によって決まる時刻に、ずれが生じる可能性があるのです。そのずれが0.9秒以上にならないように、原子時計の時刻に1秒を足したり引いたりすることがあります。この1秒を「うるう秒」と呼ぶのです。
わたくしのような門外漢には「うるう秒」は天文ショーのような楽しいイベントに感じてしまうのですが、真剣に対応に追われている人達もいらっしゃいます。近年のコンピューターの進化で1秒当たりの処理能力が高まった上、ネットワークの発達によって多くの機器が相互接続され、大規模なシステムへの影響が懸念されているからです。実際に、前回2012年の「うるう秒」のときには、航空会社でシステムエラーが起きたり、インターネット交流サイト(SNS)でサービスに繋がりにくくなったそうです。このようなことをふまえて、千分の1秒単位で注文が飛び交う東京証券取引所では、取引に影響がないように、1秒を2時間(7200秒)に分散して調整するそうです。とにかく大きなトラブルがないよう祈るばかりです。
・前回(2012年7月)のうるう秒報告
実はこの「うるう秒」、2015年7月1日8時59分60秒に予定されていますので、皆さんがこのコラムをお読みになる頃には終わってしまっていることと思います。それでも、そのたった1秒に物語があり、人の苦労や思いが詰まっていると感じていただけたら幸いです。たかが1秒、されど1秒。時は足早に過ぎ去ってしまうものですが、有効に大切にして生きたいですね。
ときめきの片付け祭り 2015/5/27
先月、アメリカのTime(タイム)誌による「世界で最も影響のある100人」の2015年版が発表されました。ラッパーのカニエ・ウェスト、俳優のブラッドリー・クーパー、アメリカ合衆国大統領のバラク・オバマなどに加え、日本からは2名が選ばれました。小説家の村上春樹と片付けコンサルタントの近藤麻理恵です。
恥ずかしながらわたくしは近藤麻理恵という方を存じ上げなかったので、調べてみて驚きました。「人生がときめく片付けの魔法」シリーズの著者で、「片付けコンサルタント」として活動している彼女。キャッチフレーズは「床が見えないゴミ部屋をホテルのスイートルームのように劇的に変える」「一度習えば、二度と散らからない」「レッスン生のリバウンド率ゼロ」など。これは読んでみなければと早速書店に走り、店頭に並んでいた3冊を購入しました。帯や前書きには「片付けで大事なのは、何を捨てるかではなく、どんなモノに囲まれて生きたいかです。ときめくモノだけを残すと、かならず幸せになれます。」「片付けはマインドが九割」とありました。なんだか分かったような分からないような、でも凄そうですね(笑)ちなみにニックネームは名前を縮めて「こんまり」です。
彼女が独自に編み出した「こんまり流ときめき整理収納法(こんまりメソッド)」はたった2つのステップで構成されています。第1に「モノを捨てること」、第2に「収納場所を決めること」。まずは第1の「捨てる」を徹底して行い、終わらせます。それも一気に、短期に、完璧に、です。これが終わるまでは決して第2に移ってはいけません。そしてそのポイントは「触ったときに、ときめくか」です。モノを一つひとつ手にとり、ときめくモノは残し、ときめかないモノは捨てるのです。そして捨てる順番は、はじめに衣類、次に本類、書類、小物類、最後に思い出の品、です。この順番は絶対です。
無事に第1が終わったら、「モノ別」に必ず正しい順番で片付けます。この先は、こんまり流の「たたみ方」や「収納法」が続きます。「たたみ方」はモノによって変えることなく、一定のルールで行います。「収納法」は特別な収納器具などに頼らず、極力シンプルに行います。
このシリーズは売れに売れて国内累計190万部を突破、世界30カ国以上で翻訳され読まれています。アメリカではニューヨーク・タイムズなどのメディアで紹介され、米アマゾンで総合一位となったそうです。「コンドウする」という、片付けを意味する英語まで普及したほどで、一つの社会現象と言われています。
いかがでしたか。こんまりメソッドは皆さんに影響を及ぼすことができるでしょうか。片付けが上手くできず部屋が散らかってお困りの方は、是非本書を手にとって挑戦してみてください。最後にご本人の言葉でシメることにいたします。一生に一度の「片付け祭り」を最後までやり抜く決意はありますか?
さて、お部屋が綺麗になったら、次はお口の番です。こうだ歯科医院で健診・クリーニングをして、ときめく人生をおくってください。
おかげさまで開院15年 2015/5/8
みなさんゴールデンウィークはいかがお過ごしになられましたか。天気も良かったので、お出かけになって楽しまれたことでしょう。日焼けしたお顔には、白い歯がよく似合います。是非こうだ歯科医院へ、着色や歯石のお掃除においでください。
さて、こうだ歯科医院は去る4月25日に開院15年を迎えました。ここまで続けてこられましたのも、患者様方のご支援あってのことと思います。こうだ歯科医院を代表し、心から御礼申し上げます。患者様から学ばせていただいたことを大切にし、一人でも多くの方が笑顔でお帰りになれるよう、スタッフ一同で研鑽に励む所存です。これからもこうだ歯科医院をよろしくお願い申し上げます。
日頃のケアがリスクを防ぐ 2015/3/31
暖かい日が続きサクラも咲き始めました。待ちに待った春が来ましたね。さて、いつもお口に関係のない話題ばかりなので、たまには歯医者らしい(笑)お話をいたしましょう。
歯周病の男性は心筋梗塞のリスクが2倍になる、というちょっとショッキングなお話です。欧米では以前から、歯周病と虚血性心疾患の関連を示す研究結果が多く報告されています。この度、日本でも東京大学大学院医学系研究科のグループにより調査が行われ、研究結果が発表されたのです。
同グループは産業保険現場の医師らと共同で、ある企業の36~59歳の男性労働者3081人を対象に、5年間の追跡調査を行いました。その結果、歯周病を強く疑われる男性はそうでない男性に比べ、心筋梗塞の発症が2倍多いことが明らかになったのです。
歯周病が心筋梗塞などの虚血性心疾患を引き起こすメカニズムは、歯周病菌とその細菌が産生する毒素、および歯周病により産生される炎症物質等が、歯肉の毛細血管を通じて全身の血管や心臓に運ばれ、動脈硬化や血管の閉塞をもたらすことが考えられています。
この研究結果から、虚血性心疾患の予防に口腔ケアが重要と言うことが分かりました。そして、適切なセルフケアと歯科医院でのメンテナンスで、歯周病の予防をおこなうことが推奨されています。簡単に言うと、日頃からご自分でよく歯を磨き、歯科医院での定期健診を必ず受ける、ということです。なお、研究では男性についてしか調査がおこなわれていませんが、女性も同じように気をつけるのが良いと思われます。
ちょっとお堅い話題で頭を使った後は、柔らかくて美味しいお話でとろけていただきましょう。最近わたくしとスタッフがハマっているロールケーキをご紹介いたします。ARINCO(アリンコ)はロールケーキ専門店です。ここの特徴は、生地がモチモチでしっとりして、他にはない食感が楽しめることです。そして中のクリームはフワフワで、甘すぎない優しいお味です。
おすすめは塩キャラメルロールです。クラッシュしたキャラメルを包み込んだロールケーキを、イタリアはサルデーニャ島原産の天然塩を使ったキャラメルソースでコーティングしたものです。もう書いているだけで唾液が出てきてしまいました。残念ながら東京駅の店舗限定なので気軽には買えませんが、中央線に乗るときにはわざわざ足を伸ばして行ってしまうほどです。みなさんも是非お試しください。
さあ、美味しいものをいただいたら、お口のセルフケアしてくださいね。定期健診も忘れずに。こうだ歯科医院スタッフ一同ご来院をお待ちしております。
心の壁 2015/3/2
みなさん風邪などひかずに、お元気にお過ごしでしょうか。わたくしは去る2月22日(日)に開催された東京マラソンに出場しました。今回が2度目なので、毎回10倍以上の抽選倍率を考えると大変幸運だと思います。とはいえ、2年前に初出場した後は、特に練習に励んでいたわけでもなく、他の大会にも出ませんでした。もしかしたら、今度は完走できないかもしれない、完走できたとしても前回のタイムには遠く及ばないかもしれない、などと不安を抱えながら渋々トレーニングを始めました。そんなわたくしの心の内を知っているかのようなお話を見つけました。
それは脳科学者の茂木健一郎さんが「自分にはムリだの心の壁を越える」と題して書かれたものです。茂木さんはかつて3回フルマラソンに挑戦したものの走りきれず、完走するのはムリなんだとずっと思っていたそうです。そして今回の東京マラソンでは一念発起して、ついに完走を果たしました。心理的な壁をこわすことができてうれしい、と感想を述べています。
出場にあたり茂木さんは、小出義雄監督の本を参考にしました。その中で「前半抑え気味にいかなければ、後半足が止まる。」という文章を読んで「ペース配分」が大事でだということを知りました。そのときのことを、ああ、そいうか、と腑に落ちた、と書いています。そして、本番では、とにかくペース配分だ、ゆっくり落ち着いていけ、と自分に言い聞かせて続け、ついに完走しました。茂木さんは、ただ完走できたことを喜ぶのではなく、心の壁を乗り越ることができたことを知り、以下のように締めています。
人生には、「自分には絶対ムリだ」と思い込んでいることがある。その心の壁は、前に進もうというちょっとした勇気と、本質を見据えた技術的観点で乗り越えることができる。そのことを、改めて感じた東京マラソンだった。
わたくしも、あるマラソン指南書を参考にして練習をし、当日のペース配分などもあらかじめ決めておきました。走るほどに不安はつのりましたが、本に書いてあることを信じて実行するよう努力しました。結果、完走することができ、わずかながら記録更新もできました。茂木さんのお話を読んで、ああ、自分はただ完走したのではなくて「心の壁」を乗り越えたのだなぁと、正に腑に落ちました。そして、茂木さんの言うとおり、マラソンだけでなく人生にも同じ事が当てはまるということを実感いたしました。
さて、3月と言えば春はもうすぐです。進学や就職で新生活が始まる方も多いかと思います。特にイベントがない方でも、気分を一心して気持ちよく春を迎えたいですよね。是非こうだ歯科医院で健診を受けて、サクラ咲く季節に備えましょう。スタッフ一同ご来院をお待ちしております。
うれしいチョコレート効果 2015/1/31
2月といえば、バレンタインデーがありますね。歯医者は甘いものを敵視していると思われがちですが、わたくしは大のチョコレート好きです。既に終わってしまいましたが、1月にはチョコレートの祭典と言われるサロン・デュ・ショコラが新宿で開催されました。世界中のショコラティエ(チョコレート職人)が出品・販売し、大変な人気のイベントです。わたくしもいつか行ってみたいと思っているのですが、いまだ実現できておりません。仕方がないのでその公式ホームページを眺めていたところ、ビーン・トゥ・バーという耳慣れない言葉をみつけました。
ビーン・トゥ・バーBean to Barとは、カカオからタブレット(板チョコ)になるまで一貫して行うことをいいます。いまや多くのブランドやショコラティエが取り組んでいるそうです。その行程は、1.良質なカカオ豆を選ぶ。2.良い豆を選別。3.焙煎機でロースト。4.豆を粉砕してカカオニブ(胚乳部分)を取り出す。5.すりつぶしてカカオマスにする。6.砂糖や乳製品を加え、さらに細かくすりつぶし、長い時間をかけて練り上げてチョコレート生地にする。7.温度調整をしてかき混ぜ、生地を安定させる。こうしてチョコレート菓子の素材となる、クーベルチュール・タブレット・ショコラが完成します。これを元に、さまざまなタブレット、ボンボンなどが作られるのですね。なんかもう、書いているだけで楽しくなってきました(笑)
さてそれでは、日本初の「ビーン・トゥ・バー」チョコレートをご紹介いたしましょう。それは、約100年前の1918年10月1日に、森永製菓で作られた「ミルクチョコレート」です。アメリカから技術者を招き、大規模に設備を拡充するなど、当時としては革新的な挑戦だったそうです。ちなみにお値段は1枚15銭。最中や大福が1個5厘前後だったので、大変高価なお菓子でした。
ところで、せっかくのチョコレートも、身体に悪いのでは?とつい気になってしまいますよね。そんなチョコレート愛好家に強い味方が現れました。愛知学院大学の大沢俊彦教授の監修のもと、愛知県蒲郡市などが市民の健康増進を図る目的でチョコレートの効果を調査しました。その内容は、45~69歳の男女347人に、カカオを72%含むチョコレートを毎日25グラム、約2ヶ月間食べてもらったところ、血圧が下がり、善玉コレステロールが増えたという結果です。そして、体重や肥満度に変化はなかったとのことです。なんとも嬉しい結果ですね。
25グラムというと、標準的な板チョコの半分ぐらいです。しかもカカオ70%以上というのをお忘れなく。毎日食べるのはちょっとハードルが高いかもしれませんが、1/2枚しっかり味わえてしかも健康に良いなんて、楽しくなります。バレンタインに送るチョコも、カカオ濃度の高いものを選ぶと喜ばれそうですね。
さあ、楽しんだ後はしっかり歯磨きしましょう。チョコレートは歯の隙間にも残りやすいので、是非フロスや歯間ブラシも使ってください。また、良く磨いていてもステイン(着色)がつきますから、定期的にこうだ歯科医院でクリーニングしましょう。スタッフ一同ご来院をお待ちしております!
私の「2014年に読んでよかった本」 2015/1/6
明けましておめでとうございます。本年もこうだ歯科医院をよろしくお願い申し上げます。
年末から寒い日が続いてますね。みなさんお風邪など召されませんようお気を付けください。
さて、先日ちょっと気になる記事を見つけました。ビル・ゲイツ氏が自身のブログで「2014年に読んでよかった本」と題して記事を書いているというものです。毎年恒例だそうで、今回は主に経済とビジネスに関する本5冊を紹介しています。どれもわたくしが読んだことのない本でしたが、勉強になりそうなのでいつか読んでみようと思います。
せっかくですのでビル・ゲイツに便乗して、わたくしも「2014年に読んでよかった本」をご紹介いたします。ジャンルは特に定めず、すでに当コラムでご紹介した本は除きます。
はじめて読む聖書
田川建三ほか(著)
新潮社
聖書学者、作家、批評家などが、「史上最大のベストセラー」と呼ばれる聖書について語っています。本気で勉強するほどではないけど、興味があるという方に向いている本だと思います。特に、聖書学者でクリスチャンでもある田川氏の、「神は存在しない」という言葉には衝撃を受けました。
ランチのアッコちゃん
柚木麻子(著)
双葉社
2014年本屋大賞にノミネートされた短編集です。ひょんなことから、キャリアウーマンの上司アッコにある約束をさせられた主人公三智子。毎日アッコに弁当を作るかわりに、代金を渡され指定の店でランチをするように指令を出されます。その先々で登場するランチがとても美味しそうに描写されています。何が出てくるか分からないわくわく感や、普段見られない上司の別の顔が見えてくる楽しみが、ページをめくる手を止めさせません。
美智子さまの38のいい話
渡辺みどり(著)
朝日新聞出版
生い立ち、ご成婚前後、子育てなど、存じ上げなかったことがたくさん書かれていました。皇室のしきたりや伝統を守りつつ、新しいものも取り入れていく、凜とした生き方が描かれています。また、美智子さまのお立場から見た、天皇陛下、皇太子殿下も新鮮です。
知の英断
ジミー・カーター他(著)
NHK出版新書
南アフリカ共和国初の黒人大統領となった故ネルソン・マンデラ氏が設立したグループ「エルダーズ(The Elders)」の活動に関するインタビュー集です。本書には彼らが立ち向かっている、世界的な緊急課題に関する問答の内容が収められています。語るはジミー・カーター(元アメリカ合衆国大統領)、フェルナンド・カルドーゾ(元ブラジル大統領)など6名のメンバー。内容は戦争と軍備、北朝鮮問題、ウィキリークス、金融など多岐にわたります。各国のリーダーとして公務で得た知己を、問題解決に役立てようと結集した姿に感銘を受けました。
政と源
三浦しおん(著)
集英社
「舟を編む」で2012年本屋大賞を受賞した三浦しおんが、男の友情を下町情緒豊かに描く小説です。元銀行員の国政とつまみ簪職人の源二郎は、幼馴染みで御歳73。二人が繰り広げる人情味溢れ、心温まる物語です。水路の多い墨田区が舞台。日常の足に船を使うところや、つまみ簪を作る描写などが、読み手を物語の世界へ引き込みます。